マナー・作法

袱紗(ふくさ)の包み方完全ガイド:お通夜・葬儀での正しい入れ方と渡し方

袱紗(ふくさ)の包み方完全ガイド:お通夜・葬儀での正しい入れ方と渡し方

訃報を受けて葬儀に参列する際、多くの方が直面するのが香典の準備です。 「香典袋をそのままカバンやポケットから取り出して渡してもよいのだろうか」 「袱紗(ふくさ)の名前は聞いたことがあるけれど、正しい包み方や向きが分からない」

お通夜や葬儀の受付で香典袋をそのまま手渡すことは、お悔やみの場におけるマナー違反とされています。大切な方を偲ぶ場だからこそ、大人のたしなみとして正しい袱紗の扱い方を身につけておきたいものです。

ここでは、鹿児島市の中心部にあり、ご家族やご参列の方々にとっても交通の便がよい葬儀社「SEKIZENSYA(積善社)」のスタッフが、弔事における袱紗の正しい選び方、包み方の手順、香典袋の入れ方、そして受付でのスマートな渡し方の所作まで、分かりやすく丁寧に解説します。

葬儀・お通夜での袱紗(ふくさ)の役割と重要性

袱紗とは、冠婚葬祭において金封(香典袋やご祝儀袋)を包むために使用する四角い布のことです。

葬儀やお通夜の場で袱紗を使用するのには、単に中身が汚れたり折れ曲がったりするのを防ぐという実用的な目的だけでなく、日本古来の深い精神性とマナーが込められています。

お悔やみの場において、袱紗は「悲しみを共にする」という遺族への深い思いやりを表す道具です。 「先方の悲しみやお悔やみの気持ちを包み込む」 「故人様への哀悼の意を表し、礼儀を尽くして金封を手渡す」 このようなご遺族への配慮の心が、袱紗を使用するというマナーの根底にあります。

カバンやポケットから香典袋をむき出しのまま取り出して手渡すことは、ご遺族に対して「不作法で不躾な印象」を与えてしまうため、袱紗を用意して参列しましょう。

弔事にふさわしい袱紗の種類と色の選び方

袱紗には様々な色や形(タイプ)があり、慶事(結婚式などのお祝い事)と弔事(お葬式などのお悔やみ事)で使い分ける必要があります。

弔事用として選ぶべき「色」のルール

弔事用の袱紗は、紫、紺、グレー、深緑、茶色などの「寒色系(ダークトーン)」のものを使用します。 赤、ピンク、オレンジ、えんじ色などの「暖色系(明るいトーン)」の袱紗は慶事用ですので、葬儀の場に持参すると大変不謹慎な印象を与えてしまいます。

  • 弔事用の代表的な色:紫、黒、紺、グレー、緑、藍、茶
  • 慶事用の代表的な色:赤、ピンク、朱色、えんじ、ゴールド、オレンジ

なお、「紫(特に濃い紫)」の袱紗は、慶事・弔事のどちらでも使える万能な色とされています。大人の嗜みとしてまず一着用意される場合は、慶弔両用の「濃い紫の袱紗」を選んでおくと非常に重宝します。

袱紗の「形状(タイプ)」による違い

袱紗には、主に以下の三つのタイプがあります。ご自身の使いやすさに合わせて選ぶと良いでしょう。

  • 金封(きんぷう)袱紗: 財布のようなポケット状になっており、香典袋を差し込むだけで使える最も手軽なタイプです。包む手間がなく、型崩れもしにくいため、現代の葬儀において最も広く普及しています。
  • 爪付き(つめつき)袱紗: 四角い布の角に、留め具となる小さな「爪」と「紐(留めループ)」が付いているタイプです。包んだ後に爪で固定できるため、持ち運びの際に中身が崩れる心配がありません。
  • 台付き(だいつき)袱紗: 金封を乗せるための小さなプラスチック製または木製の台(盆)があしらわれている本格的なタイプです。台の裏表で慶弔を使い分けることができ、型崩れを防ぎながら格調高く包むことができます。

弔事における袱紗の正しい包み方(左開き)

伝統的な布タイプの袱紗(爪付き袱紗や台付き袱紗)を使用する場合、包み方には厳格なルールがあります。 お祝い事(慶事)では「右開き」にするのに対し、お悔やみ事(弔事)では「左開き」にするのが絶対的なしきたりです。

以下に、弔事における正しい包み方の手順を分かりやすく解説します。

  1. 袱紗を広げる: 袱紗をひし形(角が上下左右を向くよう)に広げます。台付き袱紗の場合は、グレーや紺などの弔事用の面を上に向けます。
  2. 香典袋を置く: 袱紗のほぼ中央から、やや右寄りの位置に香典袋を置きます。このとき、香典袋の正面(おもて面)が上を向くように置きます。
  3. 右側を折る: まず、最初に向かって右側の角を内側に折り込みます。
  4. 下側を折る: 次に、下側の角を内側に折り上げます。
  5. 上側を折る: 続いて、上側の角を内側に折り下げます。
  6. 左側を折り、裏へ回す: 最後に、左側の角を内側に折り重ねます。余った部分は裏側へ折り返します。爪付き袱紗の場合は、最後に左側の爪を裏側の留めループに掛けます。

この手順により、完成した包みの表面は「左側が上に重なる形(左開き)」になります。 もし間違えて「右開き」に包んでしまうと、お祝い事の包み方になってしまい、ご遺族に対して非常に失礼になりますので、包み終えた後に「左手側から開く構造になっているか」を必ず確認してください。

袱紗への香典袋(不祝儀袋)の正しい入れ方・向き

最近主流となっている「ポケット型の金封袱紗」を使用する場合も、入れる向きに注意が必要です。

袱紗の向きは「左開き」にセットする

金封袱紗を手に持ったとき、蓋(開く部分)が左側に来るように持ちます。これが弔事の「左開き」の向きです。

香典袋の上下の向きを揃える

香典袋の正面が上を向き、かつ文字の上下が正しい向き(逆さまにならない状態)でポケットに差し込みます。

金封袱紗は非常に便利ですが、開く方向が逆(右開き)になっていると、周囲から見た際に慶事用の使い方をしているように見えてしまいます。開閉部分が必ず「左側」に位置しているか、入れる前に手元でしっかりと確認しましょう。

葬儀受付でのスマートな袱紗の渡し方と挨拶

お通夜や葬儀の会場に到着し、受付で香典を手渡す所作にも正しいマナーがあります。慌てずスマートに行うための手順をご紹介します。

受付での渡し方手順

  1. 受付の手前で準備する: ご自身の番が来たら、受付の台の少し前で立ち止まり、一礼をします。
  2. 袱紗を取り出す: 両手で袱紗を持ち、右手で袱紗を開いて(左開き)香典袋を丁寧に取り出します。
  3. 袱紗をたたんで台にする: 取り出した後の袱紗を素早く両手できれいにたたみ、その袱紗の上に香典袋を重ねて乗せます(台付き袱紗や金封袱紗の場合は、閉じた袱紗の上に重ねます)。
  4. 向きを時計回りに回転させる: 相手(受付担当者)から見て、香典袋の文字(「御霊前」や「御仏前」など)が正しい向きになるよう、時計回りに180度回転させます。
  5. 両手で差し出す: たたんだ袱紗を盆のように扱い、その上に乗せた香典袋を受付担当者に向けて両手で差し出します。

差し出す際のお悔やみの挨拶

香典を無言で差し出すのはマナー違反です。差し出すと同時に、小さな声で丁寧にお悔やみの言葉を添えましょう。

  • 一般的なお悔やみの挨拶: 「この度は誠にご愁傷様でございます。どうぞ御霊前にお供えください」
  • 短く簡潔に伝える場合の挨拶: 「この度は突然のことで、心よりお悔やみ申し上げます」

言葉に詰まってしまいそうな場合は、「この度は誠にご愁傷様でございます」と一言添えて一礼するだけでも、十分にお気持ちが伝わります。

袱紗がない場合の代用方法と注意点

「急な訃報でどうしても袱紗が手元にない」「買いに行く時間もないまま式場に向かわなければならない」という緊急事態もあるでしょう。

そのような場合は、お手持ちの「ハンカチ」や「小風呂敷」を袱紗の代わりに代用することができます。

代用するハンカチの選び方

代用にするハンカチは、弔事にふさわしい以下の条件を満たすものを使用してください。

  • 色:紫、紺、グレー、黒、深緑などの落ち着いた寒色系の無地
  • 素材:光沢がなく、シルクや綿などのシンプルな素材
  • 避けるべきもの:柄物、キャラクターもの、タオル地、明るい原色、白無地(白は慶事の代用として使われることがあるため、弔事では寒色系が望ましいです)

ハンカチでの包み方

包み方は、本記事の第3項で紹介した「弔事の包み方手順(左開き)」と全く同じです。 正方形にハンカチを広げ、中央より少し右寄りに香典袋を置き、「右➔下➔上➔左」の順に折り重ねて包みます。

ただし、これはあくまで「緊急時の応急処置」です。周囲から見てハンカチで代用していることは一目で分かりますので、今後も参列の機会がある場合は、大人としての備えとして、弔事用の袱紗をあらかじめ1着購入してご自宅に常備しておくことをおすすめします。

袱紗に関するよくある質問(Q&A)

Q慶弔両用の紫の袱紗は、本当に葬儀で使っても大丈夫ですか?

A

はい、全く問題ありません。 紫は古代から「高貴な色」とされており、お祝い事(慶事)とお悔やみ事(弔事)の両方で着用・使用することが許されている唯一の色です。ただし、明るい藤色や薄いラベンダー色は慶事寄り(お祝い用)と捉えられることがあるため、弔事で使用する場合は必ず「濃い紫(紺紫や深紫)」のものを選んでください。

Q夫婦や家族で参列する場合、袱紗は人数分必要ですか?

A

いいえ、世帯で一つ(代表の袱紗が一つ)あれば問題ありません。 夫婦で連名として香典を包む場合や、夫が代表して手渡す場合は、香典袋自体が一つになりますので、袱紗も一つで構いません。もし、家族それぞれが個別に香典を準備して受付を通る場合は、それぞれの香典袋を個別の袱紗に包んで持参するのが正しいマナーです。

Q受付がない規模の家族葬でも、袱紗は必要ですか?

A

はい、受付の有無にかかわらず袱紗に包んで持参するのがマナーです。 身内中心の少人数の家族葬(第一別館での家族葬など)では、受付が設置されず、ご遺族へ直接手渡したり、ご安置されている故人様の枕元の祭壇に直接お供えしたりするケースがあります。その場合も、直前まで袱紗に包んで持参し、お渡しする(またはお供えする)直前に、故人様から見て正しい向き(文字が読める向き)にして両手でお供えします。むき出しのまま持ち運ぶことは避けてください。

おわりに:細やかなマナーを安心に変えて、温かいお見送りをするために

袱紗の包み方や渡し方のマナーは、ご遺族に対する「お悔やみの心」を美しい形に表した大切な習慣です。正しい作法を知っておくことで、当日の受付でも慌てることなく、故人様との最期のお別れの時間を心穏やかに過ごすことができます。

しかし、急な悲しみの中でマナーに不慣れな部分があったり、準備が十分に整わなかったりして、不安を抱えたままお通夜や葬儀に参列される方は少なくありません。

私たちSEKIZENSYA(積善社)の各式場(少人数家族葬に特化した「第一別館」や、〜20名規模の貸切家族葬に適した「メモリアルホールあすか」など)では、他家の方と一切すれ違うことのない「一日一組完全貸切」を採用しております。

他人の目を気にすることのない穏やかでプライベートな空間だからこそ、当日の細かなマナーの疑問(香典の出し方や、お焼香の作法など)についても、近くに待機しているスタッフへいつでも気兼ねなくお尋ねいただけます。

昭和47年の創業以来、鹿児島市の皆様のお見送りに寄り添ってきたスタッフが、お悔やみの場における皆様のすべての不安を安心へと変えるお手伝いをいたします。もしもの時の備えや、葬儀に関する小さな疑問をお持ちの方は、まずはいつでもお気軽にご相談ください。

葬儀のこと、いまのうちにご相談ください

もしもの時は、限られた時間で多くのことを決めなければなりません。積善社では費用のお見積りから式場・プラン選びまで、事前のご相談を無料で承っています。

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